PROJECT | 神奈川県立図書館本館 - Designed by Sosuke Nakabo
20 OCTOBER, 2022
2022年9月に開館した神奈川県立図書館本館の家具計画及び編集を弊社で行い、メインとなる閲覧席やラウンジの家具は、機能はもちろん、意匠として重要な位置付けになるため、デザイナーの中坊壮介、二俣公一とともにオリジナルで開発いたしました。
今回のプロジェクトでは、70年ほど前に前川國男が手掛けた神奈川県立図書館(現前川國男館)や、休館まで使用されていた天童木工製の水之江忠臣の家具の歴史を受け継ぎ、新しい図書館としての家具のあり方を再考し、一部の家具は天童木工へ協働を依頼しています。
それは単純なコラボレーションということではなく、天童木工の歴史と素晴らしい仕事への敬意はもちろん、70年前の言語と同じ韻を踏むことを判断した結果で、必然のような部分があります。同時に日本の県立図書館という場において、日本人のデザイナーに手掛けてほしいという想いと、公共の場であるからこそ、永く愛される家具であってほしいという思いが含まれています。
中坊壮介は閲覧ビッグテーブル&チェア・スツール、そして屋外用家具を主に手掛けています。
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閲覧ビッグテーブル&チェア・スツール・荷置き台について
「前川國男、水之江忠臣、天童木工の仕事は、長く愛される神奈川県立図書館のアイデンティティの形成に大きく関わっています。その歴史を受け継ぎ、新しい時代に繋げることをE&Yと共に目指しました。 椅子は快適であっても眠くなるようなものでは無く、テーブルはしっかり頑丈でありながら人に優しくあってほしい。
重厚すぎず軽やかすぎず。
本を読むための椅子とテーブルについて、そんな風に考えました。 二次曲面の成型合板と丸脚、それらを丈夫な構造で設計しています。
シェルと脚で組み合わされる椅子、必要なだけ連結できるテーブル、スツール、荷置き台は、合理性を高めた一連の家具です。知が集まる尊い場にふさわしい、これからの図書館の風景を作るものになるよう願っています。」
テラスのスツール、テーブルについて
「新しい時代の図書館は様々な読書の形を提供します。過ごしやすい季節に、屋外のテラスでリラックスして本を読む。勉強の合間に少しだけ外の空気を吸う。そんな使い方のできるスツールと小さなテーブルをデザインしました。」
- 中坊壮介
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〈 中坊壮介 〉
1972年京都生まれ。1998年京都市立芸術大学プロダクト・デザイン専攻卒業。松下冷機デザインセンター勤務後渡英、2002年英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)のデザイン・プロダクト科修士課程修了。良品計画企画デザイン室、ジャスパー・モリソンのロンドンオフィス勤務を経て、2010年Sosuke Nakabo Design Office設立。
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[ 建築意匠設計 ] 石井秀明(奥野設計)
[ ロゴマーク・サイン計画 ] 木住野彰悟(6D)
[ 家具計画・編集 ] 松澤剛(E&Y)
[ 家具デザイン ] 中坊壮介(Sosuke Nakabo Design Office)
二俣公一(KOICHI FUTATSUMATA STUDIO)
[ 家具製造 ] 株式会社E&Y
株式会社天童木工
[ 監修 ] 幅允孝(神奈川県教育委員会顧問 / BACH)
神奈川県立図書館本館
住所:〒220-0044 神奈川県横浜市西区紅葉ヶ丘44
開館時間:火曜日〜金曜日 9:00〜19:00
土曜日・日曜日・祝休日 9:00〜17:00