PROJECT | 神奈川県立図書館本館 - Designed by Koichi Futatsumata
24 OCTOBER, 2022
2022年9月に開館した神奈川県立図書館本館の家具計画及び編集を弊社で行い、メインとなる閲覧席やラウンジの家具は、機能はもちろん、意匠として重要な位置付けになるため、デザイナーの二俣公一、中坊壮介とともにオリジナルで開発いたしました。
神奈川県立図書館の歴史や経緯についての対話、司書の方々からのヒアリングを経て、デザイン検討を行っており、二俣公一はラウンジチェアとローテーブルを主に手掛けています。
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ラウンジチェア・ローテーブル について
「図書館に来て、ゆっくりと本を読む。その行為そのものをラウンジチェアとして表現したいと思いました。そして、リラックスして本を読む際に最も近い距離にある家具だからこそ、その存在自体にリラックスした空気感を感じられるものにしたい。通常のラウンジチェアのように4本足で踏んばっているよりは、もう少しおおらかさがあったほうが良いと感じ、センターから背面に伸びる1本の後ろ足は、そのような考えから生まれています。
また、部材は全て幅100mmの無垢材で構成しています。公共の図書館という環境を考慮して経年にも耐えうる強度を意識しつつ、複雑な要素をそぎ落とし、同材のみで構成した時のシンプルなフォルムに、座る人を受け止める強さのようなものも込めています。一緒に使用するサイドテーブルやローテーブルも、同じ幅100mmの部材で構成しました。この図書館で本を読むことの延長上に、このラウンジチェアに座ることが記憶に残るような、一つのアイコニックな存在になることを願っています。」
- 二俣公一
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2022年4月に発表した新作「ESKER」はシンプルな形状・構造のチェアに対し、ラインやサーフェイスへ独自のスムージングを施すことによって、 フレームから座面に至る全体が一体的フォルムを成したスタッキングチェアです。
今回のプロジェクトでは、座面を張座から板座に変更し、色をネイビーとし、空間に合わせて特注で製作いたしました。
〈二俣公一〉
1975年鹿児島生まれ。福岡と東京を拠点に空間設計を軸とするケース・リアル(CASE-REAL)とプロダクトデザインに特化する二俣スタジオ(KOICHI FUTATSUMATA STUDIO)の両主宰。国内外でインテリア・建築から家具・プロダクトに至るまで多岐に渡るデザインを手がける。主なプロダクト作品に、「HAMMOCK(E&Y)」「in the sky (E&Y)」「valerie_objectsのためのカトラリー (valerie_objects)」「キウル ベンチ(Artek)」など。デザインした真空管アンプ「22(EK Japan)」はサンフランシスコ近代美術館の永久所蔵品となっているほか、その他受賞多数。2021年より神戸芸術工科大学客員教授を務める。
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[建築意匠設計] 石井秀明(奥野設計)
[ロゴマーク・サイン計画] 木住野彰悟(6D)
[家具計画・編集] 松澤剛(E&Y)
[家具デザイン] 中坊壮介(Sosuke Nakabo Design Office)
二俣公一(KOICHI FUTATSUMATA STUDIO)
[家具製造] 株式会社E&Y
株式会社天童木工
[監修] 幅允孝(神奈川県教育委員会顧問/BACH)
神奈川県立図書館本館
住所:〒220-0044 神奈川県横浜市西区紅葉ヶ丘44
開館時間:火曜日〜金曜日 9:00〜19:00
土曜日・日曜日・祝休日 9:00〜17:00